SICF19での展示を終えて
5月56日に東京・青山のスパイラル3F、スパイラルホールで開催されたSICF19の展示が無事に終わった。
会期の2日間という展示期間は、当初は短いように感じたが実際はちょうど良い展示期間だった。表参道という場所柄か、2日とも人が少ない時間帯があまりなく、2日間しかないからこそ来たい人は来るといった印象を受けた。
今回SICF19で展示したことで、今までSNS上などで、互いに存在は知っていたが直接は面識の無かったアートコレクターやアート愛好家、ギャラリストの方々と実際に会って話をすることができたのは私自身予想していなかったことなので、とても嬉しいことだった。
搬入時に、エントランス近くのスペースで木枠に作品を貼り直す様子。
今回は作品がF130号(194x162cm)と大きかったので、ロール状にして会場まで輸送した。
会場には、ジャンル問わず自身も作品を制作をしている作家の方々も多く来られていて、色々な方と2日間を通してずっと作品についての話をさせていただいた。
コンペティションとしてのSICF19を通しては、自分の作品をその特定の場においてどう見せるのか、ということについてより検証する必要があると感じた。実験的な展示をするにしても、それが来場者や審査員にどう映るのか、その骨子となるコンセプトをより強く他者に届かせるにはどんな形がベストなのか。
今回異なる2つのシリーズの対比によって鑑賞者に一つの視点を提示することを試みたが、その空間に対し、見せるべき作品の量やサイズ感といったものに過不足がなかったとは言えない。場と作品の関係を問い直すという意味でも、良い機会となった。
まずはこれからより多くのポートレイト作品を描いていくので、今後まとまった数のポートレイト作品を一度に発表する機会を設けたいと思う。
さいごに、同会期中に1Fのスパイラルガーデンで前年度のSICF18でグランプリを受賞された東城信之介さんも作品を展示されていた。東城さんとは2015年に韓国の大邱(テグ)で開催されたDAEGU ART FAIR 2015でご一緒した以来、久しぶりにお会いできた。少し作品を紹介させていただきたいと思う。
「Su-pa-ca-」
時間経過や誰かが触れた痕跡をなぞり、上書きして自分を残すことを目的とするタギング(Tagging)というシリーズの作品。
何十年も放置された車はその手つかずの歳月がボディの大半を覆う錆となって顕れていた。
さらにどんな場と状況にあったかという事実を記録するかのように、作家の手によってスプレーやアクリル絵具によるドローイングやペインティング、そして特殊な金属加工が施されたホンダの旧車は、長い時を経た物質としての強度を超えた作品としてのパワーを漲らせ、スパイラルガーデンに実に堂々と鎮座していた。
東城さんご本人と作品